自宅からの脱出
最低気温が氷点下より高い日がつづき、雪がすこしゆるんできた。予報では、明日から寒さが戻り雪が降り続く予報となっている。今日が軽トラックを自宅から脱出させる最後のチャンスであることに疑いはない。
軽トラックの後輪には、すでにチェーンを巻いていた。でも、2本のチェーンだけで自宅から脱出できないのは明らかだった。僕は、届いたばかりの中古のタイヤチェーンをフロントに装着し、自宅を出発した。
平地は問題ない。心配はジェットコースターのようなアップダウンの登りだ。案の定、坂のなかほどで、登れなくなった。調べてみると、左後輪のチェーンが外れていた。空転に耐えきれず、チェーンを留めるゴムバンドが吹き飛んでしまったようだ。さがしても見つからないので、それを諦め、荷台にあったロープでチェーンを仮止めし、ふたたび坂を登り始めた。
何度も前進と後退を繰り返しアタックするが登れない。僕はクルマをおり、タイヤの接地するラインに沿って雪をどかすことにした。
1時間ほど格闘し、ようやく僕の軽トラは自宅からの脱出に成功した。