希望の轍(わだち)

ニセコエリアは、かつて経験した土地バブルの頃と同じ状況にある。外国人の投資が主体なので、国と自治体は状況をちゃんと把握できていない。

「基準地価の上昇率が33.3パーセントで2年連続で日本一」などとニュースで報道されるより、現実の取引きにおける地価は、遥かに上昇しているはずだ。昨年、あまりに上昇しすぎたため、今年はいったん上げ止まり感があった。しかし、中国化する香港に愛想をつかした富裕族が、香港以外の場所に資産を移す動きは、ニセコにも及ぶはずだ。

ぼくが転職した会社は、日本での不動産開発に多額の投資をしているが、販売実績はない。ぼくは、マーケティングとセールスを考え、それを実践する立場にある。法務リスクのマネジメントも僕の担当だ。さらなる仕入れも期待されている。

面接のとき、「困難な仕事に直面したらどう思いますか?」と聞かれ、「できないと思ったことがない」と答えてしまったからだろう。期待されているのはうれしいが、やるべき仕事は多い。ITバブルの頃、ストックオプションを餌に馬車馬のように働かされたころを思い出さずにはいられない。でも、前職を投げ出しての転職なので、後悔はない。

心配なのは、英語力だ。前職では、バックオフィスに徹していたので、外国人投資家と話しをする機会は、ほとんどなかった。しかし、今度の会社では、クロージングもしなければならない。ぼくの英語力で、はたして億を超える商品のクロージングができるだろうか…

夏のイベントが本格化した7月最初の土曜、休みを返上して現場をチェックした帰りに、すこし寄り道をした。

望羊の丘

訪れたのは、起伏ゆたかな牧草地の尾根を繋ぐ道。途中に「望羊の丘」と書かれた石碑がある

希望へ続く道

ITバブルの頃には、命をすり減らす思いで働いた。あんな働き方は、2度としないつもりだった。でも、もう一度だけ、全力で働いてみようと思っている。あの頃、折れそうな心を癒してくれた唄を道連れに。

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