弁明書と反論書

弁明書

蘭越町から弁明書があるというので受け取ってきた。

弁明書(抜粋)

審査請求人野村一也氏(以下「請求人Jとしづ。)が令和2年12月1日に提起した公文書の非開示決定についての審査請求に関し、次のとおり弁明します。

審査請求人野村一也氏(以下「請求人Jとしづ。)が令和2年12月1日に提起した公文書の非開示決定についての審査請求に関し、次のとおり弁明します。

本処分の理由
平成31年3月29日に請求人からの同様の請求に対して上記同様の理由で平成28年5月に作成した「チセヌプリスキー場譲渡に係る申込概要一覧jのう
ち、選考された事業者以外の内容を除いて開示を行っているほか、提案書についても非開示としていることから、今回の請求に対しても同様の判断を行っている。
各事業者から提出のあった提案書の中には、民間企業として、他での活動や今後の活動についての記載があり、当該法人又は個人の競争上の地位が損なわれると判断したためである。

弁明書を通知する文書には次のことが記されている。

この弁明書に対しては、同法第9条第3項の規定により読み替えた同法第30条第1項の規定により弁明書に記載された事項に対する反論を記載した書面(反論書)を提出することができます。

反論書

翌日、反論書を提出した。

反論書

乙の弁明書に対し、反論する。

乙は、弁明書中、「本処分の理由」の項において、まるで同様の請求が2度行われたかのように記している。しかしながら、以下に下線を付けて示すとおり、2度の開示請求の要件は同じではない

<1度目の請求(抜粋)>2019(H31)年3月29日

蘭越町がチセヌプリスキー場を売却した際における以下の文書

  1. 購入を申し出た事業者の提案文書
  2. 売却先の選定理由またはそのプロセスを示す文書
  3. 蘭越町が売却先を決定する際に作成した稟議書。ただし、決定に関わった担当者の名前がわかる文書であること

<2度目の請求(抜粋)> 2020(R2)年10月29日

  1. チセヌプリスキー場譲渡に係る申込概要一覧
    ただし、「運営提案等」の項目が黒塗りされていないもの。なお、提案事業者名は黒塗りで構わない。
  2. 2回目の公募において、リフトの修復再開を提案したJRT以外の会社の提案書。ただし、当該法人等の競争上、若しくは、事業運営上の地位、または、社会的な地位が不当に損なわれる可能性を排除するために、当該法人等の名称に限っては非開示とされても、公開請求者はこれを容認する。

上に示す通り、2度目の開示請求においては、甲は事業者名に限っての黒塗りを容認することを明示している。それにもかかわらず、乙は、甲が譲歩を申し出た部分を黙殺し、1回目と同様に事業者名だけでなく、その事業者の提案内容すべてを黒塗りとした。

事業者名さえ黒塗りにすれば、事業者を特定することは不可能となるので、蘭越町情報公開条例第9条第1号を根拠に、提案事業者名以外をも全て非開示とした乙の処分に、合理的な理由はない。

審査請求書にも記した通り、甲が審査請求を行ったのは、乙に入札談合等関与行為(入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律)が疑われるからである。なお、公正取引委員会事務総局の『入札談合の防止にむけて』令和2年版によれば、入札談合等関与行為防止法第2条に規定された「入札談合等」には、プロポーザル方式も該当するとされている。

入札談合等関与行為防止法違反と併せて、背任罪(刑法247条)の疑いがあることを付け加えておく。

以上

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