倶知安町の駅前再開発

perspective of town center coming shinkansen

新幹線の新駅開業に合わせ、倶知安駅前の再開発が進んでいる。広報を見れば、再開発の内容がどのように決められているかを見ることができる。表面的に見れば、再開発は民主的に進んでいるように見える。しかし現実は、地域の意見などお構いなしに全国一律の街づくりが行われるだけだ。

これは、国土交通省と警察庁との国家レベルでの縦割りによって、 街づくりの基本となる道路交通の面における手法が硬直してしまっているからだ。

表向きには民主的に決められているかのように広報されていながら、実際には 地方自治も民主主義も不在であることの問題を提起したい。まずは、これまでに広報された内容をこのページにまとめてみました。

都市計画いろはの「い」

日本の都市計画は、用途地域(ゾーニング)による規制が基本となっている。現実に自治体が実施する事業は、道路と公共施設だけである。あとはゾーニングによる規制の範囲内で地権者が自由に建物を建てている。建築協定などが実現するケースは稀だ。

〇×計画 まちづくり※□など

倶知安町は、都市計画法に沿った「マスタープラン」を持っている。マスタープランをもとにして「倶知安町総合計画」が策定された。倶知安に新幹線の新駅ができることを受けて、まちづくり検討委員会が「北海道新幹線倶知安駅周辺のまちづくり提言書」を 策定した。 そして、「北海道新幹線倶知安駅新駅周辺整備構想」がつくられた。これら全てが、 ” 民意を受けて 地方が独自に整備した”という形式的な側面を持っている。

都会では、ほとんどすべての地域が都市計画区域で、第一種住宅専用地域や商業地域といった用途地域に指定されている。しかし、地方都市では、そもそも都市計画をしない自治体が多数存在する。そして倶知安町で都市計画区域に指定されているのは、駅周辺の限られたエリアだけである。ニセコ町にも留寿都村にも都市計画はない。そして、町の中心部よりスキー場近くに開発需要があった経緯から、倶知安町とニセコ町に準都市計画区域が指定された。

準都市計画区域

結局、用途地域に依存する

「 北海道新幹線倶知安駅新駅周辺整備構想 」には、駅の建物とその周辺のクルマの出入りについては具体的な考察が示されている。しかしながら、エリア全体をどうデザインするかについては、抽象的かつ総花的であり、具体的な指針は示されていない。用途地域に示し、それに準じた方向性が添えられているに過ぎない。

倶知安町の用途地域

用途地域とは、都市計画区域内で市街化を促す区域を指定する際にエリア分けされるものであり、 再開発の有無は関係ない 。

将来都市構造図

次の図は、「北海道新幹線倶知安駅新駅周辺整備構想」から抜粋した。そこに示された各ゾーンは用途地域に一致する。

駅前ZONING

整備の方向性を示した図

駅前ゾーニング

上図は「北海道新幹線倶知安駅新駅周辺整備構想」中、2-4.まちづくりで目指す姿に示されたに示された図である。〇×ゾーンと色分けされた区画は、都市計画区域のゾーニング(用途地域)と一致する。

用途地域と一致

制度の概要

都市計画区域の制定

用途地域すべての都市計画区域ごとに策定
マスタープランの策すべての都市計画区域ごとに策定
市街化区域倶知安町に市街化区域は制定されていない

実施状況

都市計画(用途地域)市街化区域
倶知安町あり(用途地域マップを見るN/A
ニセコ町 N/A N/A
蘭越町 N/A N/A
真狩村 N/A N/A
留寿都村 N/A N/A
京極町 N/A N/A
共和町 N/A N/A
岩内町 あり(用途地域マップを見る N/A
小樽市 あり(用途地域マップを見る

開発申請の要否

区分許可が不要となる規模
市街化区域1,000m2未満または500m2未満
区域区分が定められていない都市計画区域Less than 3,000 sqm
準都市計画区域外 Less than 5,000 sqm
都市計画区域および準都市計画区域外 Less than 10,000 sqm

所感

この記事は、倶知安駅前再開発がどのように計画されているかを分かりやすく示すために作成しました。
筆者が考える問題は、国があまりに多くを規制することによって、地方独自の施策ができないことにあります。 地方自治に携わる方々の労力を否定する気はありません。

筆者の考える具体的な問題は以下の通り。

  • 日本では、道路整備は国土交通省、道路交通は警察庁と、国レベルで縦割りになっている。
  • 日本では、地方行政による駐車マネジメントが存在しない。
  • 日本では、クルマが必須の田舎であっても、都会と同じ街づくりが行われている。

なお、駐車マネジメントを伴う街づくりの提案については、追って別記事を作成する予定です。

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