ニセコで面接
真狩のユースホステルをチェックアウトし、ニセコひらふエリアに向かった。
25年ほど前、僕はこのエリアのスキーロッジで居候をしたことがある。
その後、いつの間にやらオーストラリア人を筆頭に外国人の移住と投資が活発となり、「ここは日本なのか?」という状況が続いているらしい。
そして、僕が面接を受ける会社の社長はアメリカ人だ。英語に不安が残るものの、とりあえず面接場所に指定されたオフィスに入ると、すぐ「Nomura-san?」と日本語で声を掛けられ、そして、大きな暖炉が置かれたスペースに案内された。
ほどなくして社長とあいさつを交わした。まず最初に「面接の機会をいただきありがとうございます。」と英語で伝えようと覚えてきたのだが、記憶はすっかり飛んでしまった。なお、社長の日本語は片言程度で、通訳の女性の日本語は、僕の英語と同程度のレベルに感じられた。
僕が素直に「あんまり仕事をがんばるつもりはない」「3年から5年働いたら、海の近くに引っ越すつもりだ」と伝えると、社長は、「自分もバンカーとして、20年間まいにち、朝の6時から夜9時まで働いた。だからもうあんまり仕事を頑張るつもりはない。他のスタッフも同じだ」と僕にいった。
多分のミスアンダースタンディングを含んでいるものの、面接は和やかに進行した。そうして僕は、幸運にも内々定をもらうことができた。後で同僚に聞いた話しによれば、僕の応募は、それ自体がグッドタイミングだったらしい。
さて、僕の仕事は、まず宅地建物取引業の免許を取ることである。WEBの経験も役に立ちそうだ。ただし、移住と就業の前にやるべきことがあるので、まずはそれらを片付けることにしよう。その日の夕方のフェリーで僕は帰途についた。