蘭越町町長が星野リゾートの提案を断った文書

謹啓、初夏の候 貴職におかれましては、益々ご繁栄のこととお慶び申し上げます。
この度は、当町の大湯沼の泉質と周返環境の可能性を、高く、評価いただき、当地での温泉宿泊施設の開業を希望されまして、社長自らが二度にわたってご来町のうえ事業の概要やスケジュール等をお話しいただきその強い御意向を感じたところですが、私どもといたしましでも、蘭越町の貴重な財産であるという認識から、団体意志の決定機能を・有する町議会の皆様からもご意見・ご助言を伺ったところ、学術的にも珍重される「黄色球状硫黄」が見られる大湯沼は、多くの町民が貴重で希少な町の財産であると感じられているということを踏まえ、これまでも、厳しい経営状況の中で国氏宿舎雪秩父やチセヌプリスキー場を町が運営してきたことに意義と誇りをもって、今後とも身の丈にあった施設で町が守っていくことが、良策ではないかという意見が多くあり、私自身も改めて町の貴重な観光資源であるという意を強くしたところでございます。
同時に、全国で三十箇所もの事業を展開しておられ、経験と実績のある星野ブランドのおめがねにかなったということからしても、大湯沼周辺のポテンシャルの高さを再認識させていただいたところです。
これらのことを念頭に、内、部でも検討に検討を重ねた結果、今回の星野様から打診のあったご妥哲一にはお応えできないことを略儀ながら書面をもちましてご返事中し上げる次第です。
末筆ではありますが、貴社の益々のご発展を衷心よりお祈りいたします。
平成二十五年六月二十八日
蘭越町長 宮谷内 留雄
代表取締役社長 星野佳路 様