海外留学 vs ニセコ留学
いまから30年前、僕はロンドンのサウスモルトン通りにある日本料理店でアルバイトをしていた。
世界旅行の手始めに、まずは英語をしばらく勉強するつもりだった。
ノッティングヒルの近くでアパートを借り、ビザを延長するために日本語学校へも少し通った。7ヶ月ほどのロンドンに滞在したにもかかわらず、僕の英語力は大して上達しなかった。
日本料理店で使う英語は、だいたい決まっている。週末に遊ぶ相手は、いつもバイト先の同僚だった。だから、僕はロンドンに居ながら、あまり英語の勉強をする必要がなかった。結果、僕の英語力は、大したレベルにならなかった。
そして今、僕は日本に居るのに英語を学ぶことに必死だ。
社内公用語が英語の会社なので、メールでのやり取りは英語だ。僕が英語を書く時には、まずGoogle翻訳で英語にして、念のため、それを同じくGoogle翻訳の和英で英語に戻す。変な日本語になったら、元の日本語を調整する。自信のない言葉は決して使わない。そうして、できるだけ誤解されない英語となるように調整する。
会話でも、事前に用意しておかなければ、大した報告さえできない。それどころか、決まりきったあいさつさえ、未だ板につかない。
ちまたに溢れる聞き流しの勉強法でも、特定のフレーズなら覚えることはできる。でも、勉強したフレーズを使う場面は、なかなか来ないものだ。だから僕は、文法の勉強に一生懸命だ。NHKのラジオ英会話は、同じプログラムを繰り返し聞いている。
最近、日本語のできない外国人と遊びに行く機会も増えた。でも、言葉が出てこない歯がゆさは、仕事のときも、遊びのときも同じだ。
英語力を鍛えるつもりで外国の会社に入ったのだから、挫けずにがんばろう。
予想したよりペースは遅いかもしれないが、少しづつ、きっと自分の力になっているはずだ。