ポツンと一軒家
僕の家を衛星写真で見ると、ポツンと一軒家だ。
都会の集合住宅を転々とした僕にとっては、未知の環境だった。
予算の都合もあって、僕はいま、そこに住んでいる。
最近の衛星写真を拡大すると、僕が修理していたSUP用サーフボードが映っている。
20年以上前、農家だった土地の所有者が、丘の上にあった農地に白樺を植え、さらに周辺の山林を切り開いた。それが僕の住むエリアだ。
開発者は、町の除雪をあてにしていたのに、それを断られたらしい。また、湧き水利用の給水が不安定だったことから、土地の購入者とのトラブルもあったようだ。かんたんに言えば、失敗した別荘地だ。そして今、そこに住んでいるのは僕だけだ。
最初の写真を見ると、木が切り開かれた場所が四角く僕の家を取り囲んでいるのが分かるはずだ。下界からは、2本の道が延びている。2本の途中に1本の中道があり、道の全体像は8の字型となっている。
そして、8の字の2つの丸のうち、小さい方の丸(ほぼ四角)が僕の家を周回する道路となっている。朝のトレーニングコースだ。
スノーボードに必要な脚力を得るため、毎朝4周が目標だ。