蘭越町がわずか1000万円で売ったもの

蘭越町が売ったのは、国定公園内の道有林の賃借権と直せば使えるリフトだけではない。
写真に示す休憩舎の所有権も、売却対象に含まれている。この建物は、5000万円近いコストをかけて建てられた立派なものだ。

蘭越町が1000万円で売ったのは、壊れたリフトではない。東京ドーム22個分の国定公園を坪あたり1円以下の賃料で借りる権利と古いが立派な建物である。

岩内のCATスキーが、2018-19シーズンに999名の利用実績をあげたことから、立地に優れるチセヌプリのCATスキーは、それ以上の集客が期待できる。岩内の同シーズンの客単価は70,200円だったので、売上は約7千万円と計算できる。チセヌプリのCATスキーの客単価は、19-20シーズンは3万3150円、20-21シーズンは5万5000円である。岩内と同等の1000人の利用があれば、3000万円から5500万円の売り上げとなる。購入費の1000万円は、1年で元が取れるはずだ。

1000万円で何が買えるか?

蘭越町が設定した売値である1000万円の価値を知るために、町内の近隣エリアにおいて、1000万円で買える不動産の例を次に示す。

この物件は、2020年に売りに出され、ほどなく売買が成立したものである。土地は所有権なので、賃料はかからない。しかしながら、これを賃貸で運用しようとしても、月7万円、年間で84万円程度の賃料収入にしかならない。民泊運用をしたとしても、運営コストを引けば、賃貸運用の2倍の年160万円程度の収入にしかならない。

町長と副町長の言い訳

蘭越町がニセコ観光圏のなかで存在価値を発揮し、町の振興に繋げるために、チセヌプリスキー場は代わるもののない唯一無二の資産であった。保有していれば、さまざまな活用ができたが、無条件で譲渡してしまった後では、どうにもならない。

金町長は、取材に対し、「リフトの再開をJRTにお願いしていく」と繰り返すばかりだ。しかしながら、リフトの再開を条件にせず契約した後、JRTが金町長の「お願い」を聞く義務はない。

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