下見旅第3段
4月25日
なぜか、内見をしぶる不動産屋に詰め寄り、ニセコ町内の1戸建てを見せてもらった。
家賃が7万5000円と予算をオーバーするが、airBnBで余剰スペースを貸せば、なんとかなると思っていた。それから、外で遊ぶ道具の多い僕は、とにかく庭のある家に住みたかった。
僕は、不動産屋に「借りたい」と伝えたが、その不動産屋の言動から、オーナーに確認する気さえないことを悟った。よく考えれば、51歳のひとり暮らし、就職の予定はあるものの、現在は無職。こんな僕が不動産屋に歓迎されないのは当然だ。
僕はその不動産屋をあきらめ、ほかを探すことにした。
こんな物件もあった。家賃5万円、土地が約200坪、縁側から羊蹄山を臨む築50年の戸建てだ。原状貸しとなっているが、賃借人が修理するには多額の費用がかかるはずだ。買うならともかく、借りる物件ではない。
不動産屋に売買を交渉するために調べたところ、賃貸人と所有者が一致しないことがわかった。どうやら無償で賃借していた賃貸人が、所有者の死後、自分の所有物として賃貸に出していたようだ。
忙しく物件を探しまわった挙句、僕は余市のライダーハウスに戻った。