下見旅 内浦湾
長万部には、購入を検討してる土地があった。
国道5号線沿いの400坪、価格は120万円。坪あたり3000円だった。
長万部には、2030年に新幹線の駅ができる予定なので、そのころには値上がりするはずだ。
ただし、51歳の僕は、15年も先のことなど考えない方がいいのかもしれない。
とにかく物件を調査した。土地そのものに問題はない。
問題は、建物を建てる資金がないことだ。
僕は、見通しのない金策を考えることを放棄し、カイトをすることにした。
ここ長万部に風はないが、内浦湾の入り口にあたる森町方面にいけば風がありそうだ。
砂崎灯台付近にサンドビーチがあることを衛星写真で確認し、そこへ向かった。
砂浜が少し狭いが、天気も風も最高だ。
僕は買ったばかりの中古ドライスーツを来て海に出ることにした。
2ミリ圧のグローブ中の指先が、わずか30分で凍傷になりそうに痛い。でも、楽しい。
2時間ほどのライド後、快晴の海沿いを長万部方面へ戻った。
途中、旧幕府軍が上陸した跡地の看板を発見し、見学した。
ご存知の通り、旧幕府軍は、官軍に敗北したのだが、当時の蝦夷地の南端「箱館」には、明治政府とは異なる新政府を立ち上げた。日本で独立戦争が行われ、新政府が誕生し、そして一部の国は「蝦夷共和国」の誕生を認めたのある。
短い期間であるが、北海道に中央政府から独立した歴史があるとは、なんともロマンチックではないか。