下見旅 第4段
当初、僕は、安い土地を買って、とりあえず古いキャンピングカーで凌ぎながらセルフビルドで家を建てようと思っていた。そんな僕に、蘭越の不動産屋は、多くの人がセルフビルドを挫折していることを教えてくれた。そして、かつて売った家のオーナーが僕の予算内で売却してくれるかもしれないことを伝えてくれていた。
その不動産屋から電話があった。そのオーナーが売却に同意したのだという。そして、物件の写真と資料を送ってくれた。
土地面積 | 841㎡(254坪) |
建物面積 | 69,55㎡(21,0坪) |
築年月 | 1996(H8)年新築 |
交 通 | JR函館本線「蘭越駅」より8km |
設 備 | 北海道電力、LPG、NTT光回線、湧水利用 |
接道状況 | 南東側幅員3m私道(未舗装) 北東側幅員3m私道(未舗装) 除雪のある公道まで約800mあります。 冬期間は町による除雪がありません。 |
特 徴 | 小鳥がさえずる静かな林に囲まれた別荘です。 近隣には数件別荘が建っています。 永住者もいます。 手入れの行き届いた庭や菜園があります。 ベランダからニセコ連峰が望めます。 雪秩父温泉まで車で15分。 近隣で渓流釣りや山菜採りが楽しめます。 |
100万位といっていた価格は150万円に変更となるが、払えない額ではない。
僕はその物件を買うために急遽、現地へ行くことにした。
新千歳空港につくと、預けたオートバイに乗り換え、蘭越町に向かった。不動産屋のクルマに乗り換えて現地へいくと、現在のオーナーさんもいた。そして、どう使っていたかを詳しくおしえてくれた。灯油ボイラーが故障していること、浴室のシャワーが凍結で壊れていること、さらに、おそからず天井の補修が必要になること。
不自由な生活化でのセルフビルドさえ覚悟していた僕にとって、それらは大きな問題には感じなかった。なにより僕は、吹き抜けと大きなロフト、そしてウッドデッキが気にいった。大きな気がかりは、除雪のない区間の移動方法だ。
そして僕は、その場で購入することを伝えた。
そこにアクセスする2本の道路のうち、カーブの少ない方をオートバイで帰途に向かう途中、砂利に前輪を取られて、転倒しそうになった。一瞬、たいへんな場所を買ってしまうのかも、と不安がよぎった。