ニセコ連峰のパノラマライン
蘭越町のイメージアップ動画
この動画は、蘭越町のブランド化のために作成しました。
動画の構成(ストーリー)
自治体のPR動画にありがちな、行政区画内観光地の羅列とは一線を画し、地勢と気候のユニークさがもたらす特別な自然環境にフォーカスし、それがニセコ観光圏における蘭越町の強みに見えるように構成しました。
The Breath of Life and Land
サブタイトルの「The Breath of Life and Land」は、直訳すると「生命と大地の息吹」です。ただし、「The Breath of Life」には「生き甲斐」としての意味があります。「生き甲斐」は、「何のために生きるか」という問いに対するひとつの答え。または、人生の価値、あるいは人生の質(Quolity Of Life)の意。さらに「生き甲斐」は、「ウェルネス(Wellness)」という言葉にも通じる意味もあります。(詳細は後述)
「大地の息吹」は、気候と地形の影響で生まれる風。冬にパウダースノーを降らせ、夏に爽やかさをもたらす風を意味します。
全体としては、大地の息吹に見立てた風が大地に変化を与え、そこで人は生き生きと輝くことを表現しました。
ブランディングのキーワードとコピー
キーワードは、「ニセコ連峰」と「ウェルネス」で、リードコピーは次のとおり。
ニセコ連峰はライフスタイルを楽しむ人のウェルネス連邦
または
ニセコ連峰に広がるウェルネス蘭越
または
ニセコ連峰のわくわくフィールド蘭越
「ニセコ連峰」と「ウェルネス(その地勢と気候の恩恵を受けて輝く人たち)」をリンクさせることによって、ニセコ観光圏に吹く追い風を利用する意図がある。ワクワクは、誰もが知るウェルネスな状態を示す言葉。
蘭越町が不正ないし不適切な方法で町営スキー場を売却し、それを失ったことから、蘭越町の幹部らは、スキー・スノーボードに代表されるアクティビティを町のPRの前面に出すことはないだろう。しかし現実、蘭越に移住や投資をする人たちの多くは、「ニセコ町の隣町」であることを理由をしてる。追い風があるのだから、その風を生かすために、「ニセコ町の隣町」ではなく、ニセコ観光圏を主導する気概を持って、町のブランド化をすべきだろう。
なお、「ニセコ連峰」より「ニセコ連山」の方が山の規模に見合っているようにも思われるが、ニセコ西山系とニセコ東山系を合わせてニセコ連峰とするwikipediaに準じた。
それに同じ読みの「連邦」には、弱小な国家や自治体が、強大な国家に対し、独立権や自治権を主張するための体制という勇ましい意味がある。それは、複数の自治体が構成するニセコ観光圏の考え方にリンクする。
RuralEscapeと創世カウンシルでは、「ニセコ連峰のわくわくフィールド蘭越」を基本キャッチコピーとして、町のブランド化に役立つ情報を発信する。
ウェルネスへの補足
本サイトでは、ウェルネスを次のように定義する。
ワクワクとドキドキを生活に取り入れ
より充実したライフスタイルを実現すること

ウェルネスは、ヘルス(健康)の基盤の上に、精神的・社会的豊かさや幸せを実現する意味を持つ。
ただし、行政機関レベルでは、医療費削減を目的に、健康増進全般で使われているように見える。
観光分野(商業レベル)においては、ウェルネス市場の拡大を目論んでいる。これはスキー旅行が「スキー」が旅の目的であることと同様、「そこで何をするか」を目的とする旅の市場である。ヨガやスパ(温泉やサウナ)など美容や健康のほか、アクティビティの提供によって、ウェルネス市場の拡大が展開されている。
動画のアウトライン
パノラマラインが海につながる夏
たくさんのライダーが北海道ツーリングに訪れる夏、パノラマラインには全国からライダーがやってくる。

なお、ニセコパノラマラインのうち南側の絶景ロードは、蘭越町内をはしっている。

毎年6月に開催される自転車レース「NISEKO CLASSIC」では、峠越え区間としてパノラマラインを通過する。その後に続く景観のよいコースは、裏パノラマを通っている。

裏パノラマは、新見峠を超えるバイパスルート。裏と表のパノラマロードを合わせると、チセヌプリをぐるりと周回できる。

自転車レースの終盤、最後の登り区間を終えた後に通過する旭台、なだらかな丘の向こうに羊蹄山が浮かぶ景色に癒された参加者も多いことだろう。

冬のニセコ連峰
ニセコ連峰にパウダースノーが降る理由

大陸から吹く冬の季節風は、日本海を渡る際に暖かい対馬海流とシベリアから流れてくる寒流の影響を受け、湿り過ぎない適度な水分がもたらされる。それがニセコ連峰にぶつかり、上昇する際に急速に冷やされ、乾いたパウダースノーとなって放出される。

ニセコ連峰のスノーリゾートとしての特徴は、4000m超の山が連なるヨーロッパアルプスを凌ぐ豊富なパウダースノーが、町からすぐの場所にあることだ。

ゲートの向こうに広がるバックカントリーを求め、多くのスキーヤーがハイクアップする。
スノーモービル
ニセコ連峰の山裾に暮らす僕は、自宅からスノーモービルで、バックカントリーにアクセスできる。シャクナゲ岳の麓までスノーモービルで上がってみた。

ゲートが開きパノラマラインが開通する春
僕はスノーボードを積んだバイクで最高地点の駐車場へ向かった。

ここはニセコ連峰を縦走する登山道との交差点でもあり、開通直後は、春スキーを楽しむスキーヤーも多い。開通を待ちわびた、バイクや自転車も続々とやってくる。

パノラマラインの最高地点でスノーカイト
パノラマライン峠駐車場のすぐそばでスノーカイト。チセヌプリの穏やかな斜面と道路のすぐそばでターンできるのが楽しい。

雪のニセコパノラマロードと似たような景色がフランス・アルプスにある。その場所は、イタリアのトリノとフランスのリヨンの中間あたり、4000m級の山が連なるアルプスを通る峠のひとつロータレ峠だ。峠の最高地点は標高2058mで冬季も通行が可能。

この場所は、スノーカイトのメッカとらしく、バックカントリーの真っただ中に曲がりくねった道路があり、その道路際でスノーカイトをしている印象的な動画が多く存在する。
自転車ロードレースで世界で最も人気のあるツール・ド・フランスにおいて、最大の見どころがアルプス越え。過去の最高峰は、最高地点が標高2645mのガリビエ峠。ガリビエ峠は、ロータレ峠の北側につづく道だ。
海へ下って岩内神社へ
パノラマラインを海側に下ると、木々の間から海が見え隠れする。峠が終わると、田園風景が広がり、道は海へと続く。
市街地に入り、岩内神社の桜を見る。今年は、パノラマラインの開通と桜の開花が重なったので、多彩な風景が楽しめた。

鳥居の向こうに見える岩内岳の白い山肌が美しい。
トンネルを抜けて、蘭越の砂浜へ
海岸通りを南下。いくつものトンネルを抜けた後、蘭越町に入ってすぐのセバチ岩は、海に面した絶景のクライミングポイント。遠くには、弁慶の肩掛け岩も見える。

最後のトンネルを抜けると、蘭越の砂浜が広がる。

函館から積丹にいたるまで、石の海岸が多いなか、砂浜は希少だ。少し海辺を走ったみた。

磯谷牧場跡
2週間後、磯谷牧場跡の風車群に向かった。

ここは、ニセコ連峰を遠くに臨む丘で海がきれいに見える。

尻別川が横断し、西側で海につながる蘭越は、偏西風が入りやすい。

その風は、夏のサーマルウインドによって増幅される。
尻別川に沿って内陸に流れ込む風は、農作物に適度な代謝を促します。

ニセコ連峰を取り巻く変化に富んだユニークな地形は、自然と触れ合い、遊ぶ機会を提供する。こうした豊かな自然環境がニセコに人を呼びました。
エンディング
風は、冬に潤沢なパウダースノーを、夏の大地にさわやかさをもたらす。
その大地の上で、人は、自由闊達にそれぞれのライフスタイルを楽しむ。
NISEKOは、これからもずっと、人が集まる場所であり続けるだろう。
