下見旅第3段
4月23日
激しい雨のなか、僕はオートバイで大洗のフェリーターミナルを目指していた。
自宅の売却は決まったものの、移住先の住居はまだ決まっていない。
だから僕は、中古住宅の購入をあきらめ、賃貸物件をさがしに行くことにしたのだ。
オートバイで向かったのは、現地での機動力確保と、オートバイを先に北海道に持っていくためだ。
4月24日
フェリーが到着した翌日も雨。倶知安駅に辿り着いた僕は、不動産に電話し、気にかけていた物件を見せてもらうよう頼んだ。その不動産屋は、「忙しい」を繰り返すばかりで取り合おうとしない。しかたなく、僕は事前にネットで集めた資料を持って直接それらのを見に行くことにした。
ニセコアンヌプリスキー場からクルマで5分程度の場所にある4階建ての1室は悪くなかった。家賃も4万3000円と手頃だ。しかしながら、どうがんばっても荷物が収まりそうにない。
ニセコの賃貸は、札幌よりも高い。需要が供給を上回っているからだ。
僕の予算は月額5万円程度だったが、あまり良い物件はなかった。
その日は、初回の下見旅のときと同じ余市のライダーハウスに泊まった。