野村かずやの政策と理念

蘭越町の町政に関する政策と理念

過去の失敗に学ぶ

失敗と向き合って、新しい時代を切り開く

「蘭越は町のPRが下手」
これは移住者である私が、町民の方々から何度も聞かされた町政への不満だ。長期政権下で公共事業依存型の町政が為されたことへの不満もよく聞かれた。
「貝とお話してみませんか・・・・」
おとぎ話のような語り口は、まるで温泉街にある『秘宝の館』のようだ。なぜここに貝の博物館が?なぜそれが『貝の館』なのか?なぜこれほど立派な建物が?後に『シーサードパークみなと構想』の中核施設として建てられたことを知った。明らかな失敗事業であるのに、それを推進した者への気遣いなのか、腫物に触るかのような扱いに違和感を感じさせられる。
それが失敗事業であることは、『貝の館』の入場者数が極端に少ないことが示している。隣接する道の駅『シェルプラザ港』の利用状況も寒々しい限りだ。
来場者数の減少に歯止めをかけるために学芸員が配置されたが、町の振興に貢献ないハコモノを維持するために、「地域振興にはならないが、学術的には有用」という体裁を取り作っているようにも見える。そして、過去の失敗に向き合おうとしないことが、海浜エリアの活用のブレーキとなっているように感じられてならない。
悪い面だけを取り上げて、すべてを批判する気は毛頭もないが、過ちに学ばなければ、同じ過ちを重ねてしまうものである。過去の失敗と向き合ってこそ、新しい未来が開けるものだと思う。

ニセコ観光圏を生かした地域振興

公有財産の私物化はこれを許さず

チセヌプリスキー場は、倶知安・ニセコの好景気を蘭越に呼び込むために、極めて重要な拠点である。うまく利用できれば、蘭越町の知名度も上がり、好景気を呼び込めたはずだ。

しかしながら、現町長の金秀行氏が副町長、現副町長の山内氏が総務課長だった2016年、蘭越町はチセヌプリスキー場の施設を当初価格の5分の1に引き下げ、短期間での公募を経て、民間事業者に売却した。

そして現在、1日13人の富裕層が全山を独占する運営が行われ、バックカントリースキーヤーの立ち入りは禁止されている。利用者が少ないので、経済効果は極めて限定的で、地元民が気軽に利用できる料金ではない。それどころかバックカントリースキーヤーに敬遠される材料にさえなっている。

蘭越町は、公募時の提案と異なる運営を許容する理由を明らかとすべきである。それを許容する特別な理由がないのなら、提案の偽計を理由に契約を撤回し、真の地域振興につながるスキー場の再建を考るべきである。

不幸なチセヌプリスキー場

情報公開の徹底

情報公開で町民が町政をチェックできるようにする

国も自治体も、首長の在任が長くなると、誰も長に逆らえなくなり、職員などの忖度(そんたく)が激しくなる。そして、自由闊達な政策論議さえできなくなる、といった問題の発生が指摘されている。
蘭越町においては、町役場出身の宮谷内留雄氏による長期政権が、昭和63年11月以降、7期28年間もの期間にわたって継続した。
現在の町長も副町長も町役場出身であり、総務課長→副町長→町長というコースが踏襲されているように見える。
そして「町民が主人公」といった耳障りのよいスローガンが掲げられているにもかかわらず、町民が町政に意見するための情報が、積極的に公開されているとは言えない。また、情報開示請求に対しては、極めて非積極的であると言わざるを得ない。

情報公開制度は、「町政の私物化」や「議会の形骸化」を予防する基盤となる制度なので、まずは情報公開を徹底したい。

議事録ほか文書管理の徹底

基本ができなければ、何も始まらない

私が「チセヌプリスキー場の売却にかかる入札談合行為と背任疑惑の真相究明を求める陳情書」を議会に提出して以降、町は外部訪問者との応対ほか各種記録を残さなくなっている。
記録が残されないことは、その事案に対し、行政が公正な意思決定がなされたかどうかを民主的に評価することが不可能となることを意味する。
なお、公文書の管理関する法律第34条は「地方公共団体は、この法律の趣旨にのっとり、その保有する文書の適正な管理に関して必要な施策を策定し、及びこれを実施するよう努めなければならない。」と規定している。しかしながら、現在蘭越町が行っている文書管理は、国が定めた法・例規・ガイドラインにのっとっているようには見えない。
文書管理は、真に「町民が主人公」となるために厳格に運用されるべき基本的な事務である。まずは正常な文書管理を徹底する。

町民に開かれた議会づくり

議会の形骸化を阻止しなければ、民主主義は機能しない

町民の意思を町政に的確に反映させるためには、先ず、決定すべき議案を町民に示す必要がある。町民に興味を持ってもらうには、要点を整理し、分かりやすく伝えなければならない。町民に興味を持ってもらうことによって、議会が行政を追認する機関となることを防止し、蘭越町にとって最良の意思決定を行う。

町政懇談会の廃止

総花的かつ非合理的な儀式は止める

町内会ごとに実施される町政懇談会は、町内会エリアに限定した公共事業の話しになりやすく、町全体の話題となりにくい。それゆえ町政懇談会は廃止し、各案件ごとに利害関係者をはじめ町民の全体の意見を聞く方法を検討する。農政の案件なら農業関係者、商業の案件なら商業関係者、エリアではなく、専門性毎の討議の場とすることによって、町政が公益に向かうことを目指す。

国と地方問題に関する政策と理念

地方分権を先取りした町政

地方分権は、国と地方との行政権限、および、行政事務の整理の問題のみならず、町、あるいは町民が主体となった町政の運営を求めている。町の政策形成過程に町民の参加を求め、町民の期待と批判に鋭敏かつ誠実に応答しながら、町政運営を行う。

地方移住・地方分権・一極集中の是正

東京を中心としたヒエラルキーで国の事務が行われていることが、多くの問題を引き起こしている。一方、地方移住願望の高まり、ライフスタイルの多様化、コロナ禍が示したリモートオフィスの可能性は、地方の明るい未来を示している。蘭越町のみならず、地方の活性化が、国の問題をも是正する効果を持ち得ることを考えながら、地域振興の方策を考えたい。

雇用の流動化

右肩上がりの経済を前提とし、終身雇用と年功序列を基本とした現在の労働制度は、日本が時代の変化に取り残された大きな要因となっている。皆が適性にあった仕事に就いて、生き生きとした社会をつくるために雇用の流動化を推進する。

やり直しのできる社会の実現

日本は、一度でも“普通”道を外れると、やり直しが困難な社会、と言われています。人と同じく行動することが優先された結果、イノベーションが困難な社会になった、という指摘だ。他人の個性を尊重し、文化や考え方の違いを容認し合うことによって、陰湿な同調圧力をなくし、のびのびとした社会を実現する。

北海道独立

1993年に日本新党が38年ぶりの政権交代を実現して以来、改革を求める人々の期待は、ことごとく裏切られ続けている。行政府の腐敗を抜本的に正す施策は、いつも実行されないか、骨抜きとされてきた。それから20余年が経過しても抜本的な改革が実行に移される気配はなく、多くの国民があきらめモードに入っている。
機運が高まる気配があれば、北海道独立の可能性を探りたい。

国の問題にかかる政策と理念

源泉徴収制度の廃止

源泉徴収を廃止することによって、どっぶりと会社に依存する人に納税意識を与える。それが、税金の使われ方に興味を持たせ、社会参加への動機を刺激する。それが、投票率を上げ、30年以上停滞した政治と、20年以上停滞した経済を変える必要条件だと思う。

そもそも、源泉徴収制度は、第2次世界大戦の戦費調達のために、効率的に所得税を集めるための制度であり、はるか昔にその緊急性は失われている。そしてマイナンバー制の導入により、給与を払う側に労力を押し付ける必要性もなくなった。さらに言えば、事業者に多大な税務の負担を強いる制度は、事業家や企業が、雇用を敬遠する理由となっている。

大企業優遇型から小企業が雇用を支えることによって、『請負』で処理される『雇用』も含めて、雇用の抜本的な改革の基礎とする。

終身雇用制度の廃止

終身雇用制度は、誰もが持続困難であることを分かっていながら、一向に議論が進まない。現実として、はるか昔に、公務員と大企業だけの制度となっており、中小企業の多くは、公にできない方法での首切りを常としてきた。近年では、一部の大企業が、終身雇用制度を持続することが困難であることを訴え出したことにより、実質的に公務員だけが享受する制度となることは、時間の問題と思われる。

終身雇用制度は、年控序列のベースとなる制度であり、新しい考え方についていけない老人たちが、若く柔軟な思考を持った若者たちのイノベーションを阻む事態が様々な場面において発生している。それが日本経済が時代の流れに取り残され、経済の停滞を招いた要因のひとつであると思う。

選挙の結果および御礼

2020(R2)年10月25日に行われた蘭越町議会議員補欠選挙においては、残念ながら落選しました。
投票いただいたみなさまに厚く御礼申し上げます。

北海道磯谷郡蘭越町字富岡1035-3

野村かずや

email : kazuya@rural-escape.com